「私のゴルフゲームは私がやる限り続きます。しかし、私の学んだものは永遠性のある大地に残すことが可能です。」
彼の才能と知力、そして豊かな経験と帝王しか持ちえない類まれな感性は、世界的にトップレベルの一人であるゴルフコースデザイナーとして、この世界を制することになる。
ジャック・ニクラスコースの哲学の魅力は、芸術性と戦略性が見事なバランスで統一され、さらには、トッププレーヤーとして数々の戦歴を勝ち得た鋭い感性が随所に見受けられる点にある。
たとえばティーグラウンド。ニクラスがデザインしたコースには、位置も形も違う複数のティーが並び、ティーの位置によってそのホールはまったく別な顔をもつことになる。
ニクラスは上級者だけでなくあらゆるゴルファーが楽しめる設計を心がけているのである。
あるいはフェアウェイ。ジャック・ニクラスは、その固有の自然を最大限に生かしたコースづくりを目指す数少ないコースデザイナーの一人である。
デザイン上コースの真ん中に木があるとする。ニクラスは、いい木を残すためならあえて自分の設計を変えるという。あるいは、200本木があれば、極力木を切らないで199本を生かす努力をするという。アンジュレーションのために山を削っても、いずれ景観が戻るようにと心を配る。自然は美しい曲線の連続である。それをニクラスは戦略へと塗り変える。周辺の自然と違和感のない戦略的なフェアウェイは、夕景が似合う美しいワンシーンを描き出している。
北海道クラシックゴルフクラブではグリーンに最高の質を取り入れるために、アメリカゴルフ協会の仕様書に基づいて設計されている。ジャックならではのクオリティの高いパッティングは、多くのゴルフファンを楽しませてくれるだろう。
ニクラスのアートは内面的、視覚的、戦略的な面から巧みに展開され繊細な心配りが随所にあらわれている。
ニクラスのツアー生活で得たゴルフのノウハウはグリーンに舞台を変えてまた大きく羽ばたこうとしている。